世の猫たちが愛してやまない、おやつの「ちゅーる」。
ちゅーる自体を見せなくても、「ちゅーる」という言葉を聞いただけで、目を輝かせて走ってくる子もいると思います。
それは猫が、「ちゅーる」という言葉が、あの美味しいおやつのことを指しているということを理解している証拠です。
猫って、意外と人の言葉が分かっていて、理解している部分もあるんですね。
そのメカニズムと、言葉を覚えさせるコツなどをご紹介します。
目次
猫は人の言葉が理解できる?
大脳の一部である「大脳新皮質」という器官は、言語機能や、合理的な思考をつかさどっていて、人間のような高等生物では大きく、下等生物では小さい傾向があります。
猫の大脳新皮質はあまり発達していないのですが、聴力がとても優れているので、その単語の微妙な音の違いや、これまでの経験から言葉を覚えることができます。
犬の場合、200語くらい理解できると言われているのですが、猫にそこまでの能力が見られないのは、犬は「群れで生きる」動物なのに対し、猫は「単独で生きる」動物だからなのだとか。
犬は、飼い主さんに褒められたい、コミュニケーションを取りたい、と必死に頑張って、言葉を覚えているんでしょうね(*’ω’*)カワイイ
イギリスで、飼い猫や猫カフェの猫たちを対象に研究が行われた際には、その猫の名前、名前とよく似た一般名詞や、同居猫の名前などを聞き分けることができ、自分の名前のときの反応が強く出たそうです。
でもこれは、「言葉」としての認識ではなく、「音」に反応しているだけで、その「音」が自分の名前だというは思っていないようです。
「あれ、いつもの『音』がしたぞ」、という反応なんですね。
猫が覚えやすい言葉と、覚えてもらうコツ
うちの猫にも、言葉を覚えてもらいたい!そう思う猫飼いさんは多いでしょう。
猫が覚えやすい言葉と、覚えてもらうコツをご紹介します。
単純に分けると、「嬉しいこと」と、「イヤなこと」、このふたつのシチュエーションの言葉は覚えやすいです。
「嬉しいこと」だと、「おやつ」や「ごはん」、なでられるのが好きな子なら、「なでなで」でもいいですね。
反対に、「イヤなこと」の場合、叱るときの「ダメ」や「こら」、病院嫌いな子なら、「病院」と聞くだけで隅っこにかくれてしまうでしょう。
コツとしては、例えば、「ちゅーる」をあげる前や、あげながら、「ちゅーる」と言う。
ブラッシングが好きな子なら、ブラッシングのときに「ブラシ」や「ブラッシング」と言う。
反対に、いたずらなどをしたときには、その瞬間に「ダメ」「こら」と言う、などです。
我が家の愛猫そらが判別できる言葉も、大半がそのような言葉です。
「ごはん」「おやつ」はもちろん、名前の「そら」にも反応します。
あとは、おやつをあげながらトレーニングをした時期があり、トレーニングをしていない今でも、「お手」や「ハイタッチ」などができます。
これは、私が手を差し伸べる動作をするという要素もあるのですが。
賢いなぁと思うのが、トイレのときです。
そろそろおしっこする時間帯じゃないかな?というときに、「おしっこは?」というと、今まで私の傍でウロウロしていたのに、ふいっとトイレの方へ行き、おしっこをすることが結構あります。
ウンチのときも、「ウンチしてきて」というと、トイレへレッツゴーすることが多々あります。
子猫の頃から、おしっこをしにトイレへ行ったり、おしっこをしたあとに「おしっこ出たの~」とか言っていたので、覚えたのでしょうか。
面白いところでは、「おもちゃ」や「遊ぶ」は、いまいち理解していないようですが、「チュービーム」という言葉だけはすごい反応します。
チュービームは、おもちゃのレーザーポインターの名前です。
最近でこそ、ちょっと飽きてますが、使い始めの頃にすっごくハマって遊んでいて、その「楽しかった」という経験から、「チュービーム」という「音」を聞くだけでテンションが上がるようです。
叱るときには、「ダメ」をよく使っているのですが、キッチンのIHヒーターの上へ上がろうとしているときに「ダメ」と言うと、上がるのをやめます。
他のイタズラのときには効き目がないのですが(;^ω^)
たぶん、ヒーターの上に乗ると火傷をする危険性があるため、私が本気で「ダメ」と言っている気迫が伝わっているのかもしれません。
このように、「楽しい」「嬉しい」経験をしているときに言葉をかけていると、自然と覚えてくるはずです。
叱るときには、いけないことをした瞬間に「ダメ」などと言うのがコツ。
ポイント
意外と言葉を覚えてくれる猫ちゃんですが、残念ながら、あまり長い単語は記憶できません。
名前や覚えてほしい言葉は、なるべく短い単語にしたほうがいいです。
また、多頭飼いの場合、似たような発音やイントネーションにすると、猫が混乱するかもしれないので、なるべく違った音や、異なった文字数にしたほうがいいでしょう。
一緒に生活していく中で名前を呼んでいれば、自然と覚えてくれると思いますが、ごはんやおやつをあげる前に名前を呼んだりすれば、「名前」イコール「良いこと」という連鎖ができて、すぐに覚えてくれるかもしれません。
猫が人の言葉をしゃべる?
え~、無理なんですかぁ~(;^ω^)
でも、やればできるかも?
例えば、ごはんのときに、たまたま「ごはん」に近い鳴き方をした瞬間に、飼い主さんが喜んだり、ほめたりしたとします。
「嬉しい」ごはんの時間に、あの鳴き方したら、「大好き」な飼い主さんが「褒めて」くれて「嬉しかった」という関連付けができて、「ごはん」に近い鳴き方をしてくれるかもしれません。
注意したいこと
猫が言葉を覚える要素が、そのときの感情や経験に基づくと考えると、叱るときに猫の名前を呼ぶのはNGです。
「名前」イコール「悪いこと」と関連付けてしまうからです。
叱るときには、名前を呼ばないようにしましょう。
そらの場合、叱るときに「こら」を使わないのは、「そら」と発音が似ているから。なので、「ダメ」を使うようにしています。
逆に、猫ちゃんに名前をつけるときには、叱るときに使うであろう言葉に近い「音」は避けた方がいいですね。
言葉を覚えてもらえば、もっとコミュニケーションが取れる♪
猫は、犬ほど研究が進んでいなくて、その知能などは未知数。
ですが、言語の「音」やニュアンス、飼い主さんの素振りや雰囲気などによって、必要最低限の言葉は聞き分けができる、かしこい動物です。
言葉でコミュニケーションが取れれば、猫ちゃんとの生活はもっと楽しくなります。
「良いこと」「嬉しいこと」と、「イヤなこと」の分類に沿って、短いはっきりとした言葉だと、覚えてもらいやすいので、チャレンジしてみてください♪