猫の攻撃行動を軽減するためにとった対策と、受診1年間の様子

 

愛猫そらの「攻撃行動」に悩み、動物病院の行動診療科を訪れてからの1年間をまとめました。

この1年間、担当の獣医師さんにアドバイスをもらいながら、そらとの穏やかな生活を得るために努力してきました。

その結果、受診前の状況の「攻撃行動の頻度、程度」「私の身体的、精神的な苦痛度」がレベル「10」だったとすると、現在のレベルは「2」から「3」くらいになっています。

今でもたまに攻撃されることはあり、完全になくなったわけではありませんが、攻撃度(回数や程度)は明らかに低くなりました。

受診後1年間で試した対策と経過などを、備忘録として記録しておきたいと思います。

 

 

 

目次

受診後1年間の攻撃頻度の推移

行動診療科を受診してから1年間の攻撃頻度を、単純に「多い」「少ない」で振り分けしてみました。

多・少
2021年(3歳)6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
2022年1月
2月
3月
(4歳)4月
5月

 

そしてこれに、行っていた対策や状況などを照らし合わせてみました。

多・少対策・状況
2021年(3歳)6月フードのストレス
7月遊びの回数を増やした
8月あまり遊べない
9月トレーニング(キャリー)
10月トレーニング(おすわり)
11月トレーニング(待て)
12月トレーニングさぼる、お菓子作り、年末年始
2022年1月トレーニング再開
2月
3月家に居ることが増えた
(4歳)4月
5月

 

こうやってタイミングを照らし合わせて見てみると、攻撃が増えることも、減ることにも原因があるように思えます。

 

 

攻撃行動増減の原因を分析

攻撃が増えたり、減ったりしたとき、その頃にはどんなことをして、どういう状況にあったのかの把握をするために、私はノートに記録をとってきました。

この1年間の状況を詳しく見てみます。

 

6月

健康診断でストルバイト結晶が見つかり、療法食になったことで、フードに対するストレスが溜まったようです。

 

7月

以前は、食事の前に10分~15分、長くて20~30分、1日に3,4回程度で遊んでいましたが、回数は変えず、遊ぶ時間を5分程度に短縮しました。

 

 

8月

私の足の裏の手術により、走り回って遊ぶことが困難な状況になりました。思いっきり遊べない状況に不満が溜まったようです。

 

 

 

9月

「キャリーバッグに入る」トレーニングを開始。

私が用事をしている間、特定の場所で落ち着いて待ってもらえるようになるための練習です。

 

10月

「おすわり」のトレーニングを開始。

そらは自己主張が強いので、要求をそのまま飲むのではなく、何かアクションさせてから答えてあげるようにしましょう、というアドバイスをもらいました。

そこで、普段から出来ていた「お手」や「おすわり」をさせてから、大好きなカリカリやおやつをあげるようにしました。

 

また、遊びの時間を、ご飯の前・後に5分ずつ設けました。

猫は、お腹が空いているときの方がよく遊ぶらしいのですが、そらはどちらかというと食事後の方がノリノリで遊んでくれるので、ごはんの前後に遊びの時間を設けました。

さらに、そらから誘ってきたときにも、可能であれば乗ってあげるようにしました。(本当は、「お手」や「おすわり」などアクションさせてから遊ぶ方が良いのですが、今のところ何もせずに遊んであげています)

 

11月

「待て」のトレーニングを開始。

獣医師さんからの提案で始めた「待て」のトレーニング。攻撃してきそうになったときに、距離を取りやすくするためだそうです。

 

 

 

12月

12月に入り、急に攻撃が止んだことで油断して、トレーニングをサボってしまいました。

さらに、トリートボールや手作り筒フィーダーなどを利用した給餌を怠り、楽しい食事の提供ができていなかったです。

私がお菓子作りにハマり、そらのことがそっちのけになってしまっていたことも悪要因になりました。遊ぶ時間はちゃんととっていたけど、気もそぞろだった気がします。

また、年末年始で普段よりも私が家に居るのに、満足にかまってもらえない、という不満も溜まったようです。

 

1月

大きな声で鳴きウロウロ歩き回る、夜鳴き、要求鳴き、おねだり増加など、困った行動が突然増えました。

私が自分のこと(お菓子作り)に夢中になり、そらと向き合っていなかったことを猛反省。

遊ぶときはしっかり集中して遊び、「おすわり」と「待て」のトレーニングと、楽しく食事をとれるような工夫を再開しました。

 

3月

パートを辞めたため、午後に自宅に居ることが増えました。さらに、外出したり戻ってきたりと、せわしない状況。

そのため生活リズムが狂い、私が家に居てもずっとかまってはもらえないジレンマがあったと思われます。

 

猫は、生活のルーティンが決まっていると安心するらしいです。

なので、私が居たり居なかったり、帰って来たからかまってもらえると思ったのにまた出ていったり・・・といったような環境は、そらを不安にさせてしまったようです。

獣医さんからも、生活リズムが変わるときには、急にパッと変えるのではなく、徐々に変えていくようにしましょう、とアドバイスをいただきました。

 

4月

私が家に居ることに慣れてきた様子。

 

5月

だいぶ落ち着いているが、最近「かまって」が強くなってきていて、満足できなかったら噛んでくることが増えた。

この頃は忙しくて、午後も外出することが増えたのが原因かと思われます。

 

 

攻撃行動への対策

そらの攻撃行動に対して、とった対策です。

 

PC中の攻撃

<PC作業を同じ空間でしない>

PCを触り出すと、激しく攻撃してきていたそら。

そこで、PC作業は寝室ですることにし、ドアを閉めて、そらは入れないようにしました。

 

<落ち着ける場所を提供する>

寝室に立てこもると、居間の方からずっと鳴き続けることが多く、こちらが根負けして寝室に入れてあげることもありました。

窓辺にお気に入りのベッドを置いてあげていたら、私が横でPCを触っていてもベッドで落ち着いてスヤスヤ眠りにつくことが徐々に増えていきました。

キャリーに入るトレーニングは、こういうときのためにしていたのですが、そらにとってはお気に入りのベッドがあることで解決できたようです。

 

でもたまーに、虫の居所が悪い時には噛んできそうな雰囲気を出すことがあり、そんなときには早めに察知して、PC作業を止めて寝室から出るようにしています。

 

夜寝る時の攻撃

我が家では夜寝る時、そらは居間、私は自分の寝室で、別々に寝ています。

寝る時間になったら、居間の電気を消して私は寝室へ行くのですが、その雰囲気を察知するとそらは、私の足に飛びついて噛みついてきていました。

そこで裏技。

ゼリー状などの、舐めるタイプのおやつをあげて、それを食べている隙に居間から立ち去るようにしました。

 

遊ぶときの攻撃

そらは、一緒に遊んでいて興奮スイッチが入ると、私に攻撃を繰り出してきました。

そこで獣医さんから、遊ぶ時間を5分程度の短い時間に減らし、過度に興奮する手前で遊びを終わらせるようにしましょう、というアドバイスをいただきました。

 

1回に10分や20分遊んでいたころは、全く遊んでくれずに時間だけが無駄に過ぎることが多かったですが、今では遊びに誘えば高確率で遊んでくれるようになりました。

猫は持久力があまりないことや、飽きやすい・気分屋なところもあるので、遊びは短時間にの方が向いているかもしれません。

 

今でもあまりに興奮してしまったときには「ヤベっ(怖)」と思う瞬間はあるのですが、遊んでいるときの攻撃は、以前に比べたらだいぶ減りました。

 

外出時の攻撃

朝や、パートで昼に外出するときなど、私が外出する空気を察知すると、攻撃してきていました。外出のために着替えをし始めると、怒ったように鳴いて噛んでくるんです。

そこで、外出する支度はそらに気が付かれないよう少しずつしたり、そらが見ていない隙にしたりして、いつでも外出できる状態をこっそり準備しておくことにしました。

 

そして、出かける前のルーティンを、たまに変えてみたりしました。

例えば、「遊ぶ」→「着替える」→「出かける」を、「着替える」→「遊ぶ」→「出かける」といった具合に変えます。

「着替える」という行為が、「出かけてしまう(いなくなってしまう)」という悪いイメージに繋がらないようにするんです。

この作戦が効いたのか、今では外出時に噛まれることはほぼなくなりました。

 

トイレ掃除のときの攻撃

以前まではなかったのですが、2021年の9月頃から、排泄物の回収をするときや、トイレ本体の掃除をする際に攻撃されるようになりました。

たぶん、「かまってほしい」という願望が強かったのだと思います。

 

そこで、回収作業をするのは、そらが寝ているときや、気分が落ち着いているときを狙ってし、本体の掃除をするときは、本体を洗面所へ移動し、洗面所のドアを閉めてそらが入れないようにしてから作業するようにしました。

そのため、トイレの回収、掃除のときの攻撃はなくなりました。

 

トイレの出待ちで噛まれる

これも以前まではないことだったのですが、私が人間トイレから出てくるときに中に入ろうとして、そらが入ろうとするのを阻止したら噛んでくるようになりました。

今まで人間トイレは立ち入り禁止区域だったのですが、たまたま入ってしまったことがあり、トイレに興味が湧いたようです。

手で阻止したら危険なため、段ボールなどを盾にしながらトイレから出たりして苦戦していました。

 

そのことを獣医さんに相談したところ、「中に入ってもいいのでは?」と言われ、「それもそうか」と思い、立ち入りOKにしたんです。

するとトイレの居心地が良いのか、マットの上で寝てることもあります(笑)

 

過剰なおなだり

2022年1月にやたら増えてしまった、過剰なおねだり。私と目が合う度に、そらの方から勝手に「お手」してくるんですww

「お手」をしたらもらえる、というルールを守っているのは賢いのですが。

 

おねだりが増えたことは、普通に考えたらそんなに問題ではないように思えます。でもそらの場合、要求が通らないと攻撃してくるので、どう対処したらよいか困りました。

催促されるままにあげてしまうのは、良いこととは思えなかったので、獣医師さんに相談してみたところ、対策の提案をいただきました。

 

勝手に「お手」をしてきたときには、場所を移動して、仕切り直してから「お手」をさせてからおやつなどをあげる

そうすることで、こちら主導で「お手」をさせたことになります。

 

早速この方法を試し、要求鳴きは適度に聞き流すようにしたところ、数日で「勝手にお手」をすることはなくなりました。

 

よく分からない要求

前述のシチュエーションでは、対策が功を奏したのか、相対的な効果があったのか分かりませんが、今ではほとんど攻撃行動は見られなくなりました。

 

ですが、たまに何を要求しているのか分からない時があり、対応に困ることがあります。

遊んでほしいのか、お腹が空いたのか、甘えたいのか、退屈なのか?

私の答えが間違っていると、天罰が下りますwww

 

基本的に、撫でられるとか抱っことかが嫌いなので、「甘えたい」という選択肢はほぼないはずなのですが、カリカリも食べないし、遊びたいようでもないし・・・

でも、私の近くまで来て、可愛らしく鳴くんです。

どうしよう、と思い撫でていると噛まれます(;^ω^)

 

 

行動診療科を受診して本当に良かった

受診後の1年間で私が強く感じたのは、「プロの方に相談して良かった」ということ。

猫に攻撃されたことのない人に相談してみても、私やそらの苦しみは理解してもらえないし、解決できるようなアドバイスももらえないのです。

そんな中で一人で悶々と悩んで苦しんでいても、1ミリも解決の方向へは進んでいけない。

プロの方に相談し、アドバイスをもらうことで、私自身が安心できて余裕が生まれたのだと思います。

 

以前までは、そらに攻撃されたときに、『恐怖』や『怒り』などの感情が湧いていました。

でもカウンセリングを受けてからは、攻撃されたときに感情的になるより先に、「いまの状況の分析」や「この瞬間、どう対応すべきか」などの方へ思考がうつることで、そらが私から感じ取る「何か」が変わったのではないかと思います。

 

カウンセリングを受けた頃、「何をするでもなく、二人でのんびりを過ごせるような生活がしたい」と獣医師さんに相談すると、「今後、完全に攻撃行動がなくなるとは言い切れない。これから先、のんびりと過ごせるような生活ができるかどうかは分からない」と言われました。

室内飼いのそらにとっては、やはり毎日が退屈で、私が家に居るときくらいはかまってほしいのだから、と。

そらには、この家の中が全てで、私しかいないんですよね。

だから、なるべくストレスの少ない環境で、私が思いっきり愛してあげることが、私の義務。

これからも悪戦苦闘しながら、そらの激しい気性と付き合っていくと心に決めた母ちゃんなのでした。

 

 

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