愛猫そらのストレスを軽減したい|環境エンリッチメントを整える

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先日、愛猫そらの攻撃行動軽減のため、行動診療科を受診しました。

今回の受診で気づかされたのは、そらが普段の生活の中で、何らかのストレスを受けているのかもしれない、ということでした。

ストレスが溜まっていることが根底にあって、攻撃行動として表れている可能性があるのではないか?

そこで、少しでもそらのストレスが減るような生活環境にするために、「環境エンリッチメント」について勉強し、色々と工夫してみたことをご紹介します。

目次

環境エンリッチメントとは

動物園などへ行くと、ニホンザルのコーナーには、ボス猿がてっぺんに君臨できる猿山があったり、ライオンのエサの時間には、普通に差し出すのではなく、餌のお肉をちょっと隠してみたり、吊るしてみたりと、色んな工夫がされていることに気が付きます。

このように工夫された環境づくりが「環境エンリッチメント」で、動物たちが野生で生活してきた環境に近づけ、飼育される生活環境を豊かで充実したものにし、生活の質を向上させる目的があります。

猫であれば、得意とする上下運動や跳躍を発揮でき、見晴らしの良い高い場所や、安心して休める場所の確保されているか、など。

猫らしく生きる」ことのできる環境を整えてあげることは、私たち飼い主の務めです。

環境エンリッチメントには5つの要素があり、それに沿って、幸福で快適な暮らしができるよう、動物たちの立場になって住環境づくりを目指します。

【1】 空間:その動物が本能を満たせる環境づくり

【2】食事の摂り方:その動物が本来どのように食事を摂っているか

【3】社会:群れを作るなど、動物本来の社会の実現

【4】感覚:音やにおいなどの五感を刺激する

【5】認知:認知を刺激するおもちゃなどを与え、自分で考えて行動させる

それぞれ、猫の場合の例を挙げてみます。

【1】 空間

猫は高い場所が好きなので、部屋の中を見渡せるようなキャットタワーや、猫が登れるようなタンスなどの家具を設置する。

猫が「怖い」と思ったときに身を隠せる場所、ケージやキャリーケース、段ボール箱など、安心できる場所を用意する。

【2】 食事の摂り方

捕食行動をする猫の、「狩りの本能」を満たしてあげるための工夫をする。

例えば、フードを乗せたお皿をあちこちに隠したり、ドライフードを投げて追いかけさせるなど。

【3】 社会

猫は犬のように群れをつくる動物ではなく、単独で行動するタイプ。

猫のペースに合わせ、猫の方から甘えてきたら撫でるようにし、過度なスキンシップを控える。

【4】 感覚

猫は、においの強いものや刺激臭が苦手なので、消臭剤やアロマの使用には注意が必要。

自分のにおいがしていると安心できるので、マーキング部分は過度な清掃をせず、においを残しておいてあげる。

【5】 認知

特に室内のみで生活する猫は、刺激に乏しく退屈でストレスが溜まりがちなので、知育を意識したおもちゃや、パズルフィーダーなどを使って脳を刺激してあげる。

そらがストレスなく暮らせる空間、かぁ。

環境エンリッチメントを参考に、改めて家の中を見直し、私なりに工夫してみました。

我が家で実践したこと

【爪とぎを増設】

猫は、マーキングのために爪とぎをするようですが、「爪をとぎたい!」と思ったときに研いでもらえるよう、爪とぎを増やしてみました。

居間と仏間には、すでに何カ所か置いていたのですが、玄関前の廊下と洋室にも、ひとつずつ増設しました。

あぁー、無性に爪が研ぎたい! お、こんなところに爪とぎが♪

バリバリバリバリ♪

そら
そら

ご機嫌でバリバリやってくれています(^^)/ (特に廊下)

【洋室にもキャットタワー】

我が家には、居間に突っ張り式のタワー、仏間に据え置き式のタワーがそれぞれ一台ずつあるのですが、今年解放した洋室が好きみたいで入り浸っているので、洋室にもキャットタワーを置いてあげることに。

仏間にあるタワーは窓の外を見るために置いていたのですが、麻の柱での爪とぎはここではしないので、「ただの棚」と化していたので、この据え置き式のタワーを洋室へ移動。

(仏間には別の棚を設置し、外が見られる状態は維持。)

するとすぐに気に入ってくれたようで、柱でバリバリ爪を研ぎ、タワー最上階でくつろいでいる姿が確認されました。

こっちの窓辺にもタワーあんじゃん♪ ここでお昼寝しよっと♪

そら
そら

【ポイント】
新しく買ってきたものなど、普段見慣れないものがあるだけで、猫ちゃんはものすごく警戒します。また、大掛かりな模様替えは、猫ちゃんにとってストレスになる可能性もあるので注意が必要です。

【猫ベッド増設】

おととし購入した夏用の猫ベッドを、今年になりようやく認めてくれたようで、寝室の窓辺に置かせてもらうと、よっぽど気に入ったのか、ここでよく寝ています。

☝気に入らなくてかじったあと

以前はダイニングテーブルの上にベッドを置いていたのですが、最近テーブルの上に来なくなったので撤去。

でも最近またテーブルに来るようになり、寝転がることも増えました。

ここでくつろぎたいのかな。そう思い、ベッドを購入。

でもそらは、布系のものは、買ってきてすぐに与えると、ニオイが気に入らないのか、ガブガブ噛みついてちぎったり、全く近寄らなかったりするのです。

そこで、猫ベッドを私のベッドに布団をかぶせて隠しておき、私が寝る時に抱きかかえて寝たりして、私のニオイを存分に染み込ませておきました。

1週間ほどしてテーブルの上にセッティングしてみたら、意外とすぐに足を踏み入れ、フワフワ具合が気に入ったのか、そのまま使用してくれました♪

そらが最近お気に入りの洋室には猫ベッドがなく、もっぱら積み上げた段ボールの上か、新設したタワーの上で寝ています。

でもさすがに、床が硬くて寝づらいだろうなぁと思うので、そのうち洋室にも猫ベッドを置いてあげたいなと思っています。

【トイレを変えた】

以前はシステムトイレを愛用していたのですが、行動診療科の獣医さんのおススメで、目の細かい固まる砂を使ってみると、そらが気に入ってくれて、システムトイレの方を使用しなくなりました。

ということは、そらはシステムトイレに不満があった、ということなんですよね。

1週間様子をみてもシステムトイレの方を使用しなかったので、システムトイレの方を撤去しました。

ボク、こっちのトイレの方が好きだな♪

そら
そら

【トイレ砂をマメに交換する】

固まるタイプの砂に変えてから、そらは気持ちよく新しいトイレを使ってくれているのですが、実際使っていくと、完全におしっこボールにならず、少し崩れてしまい、スコップですくいきれない部分があることに気が付きました。

砂が空気中の湿気を吸ったり、おしっこやウンチなどの汚れなどで、固まりにくくなることがあるらしいです。

小さい取り残しが残っていくと、やっぱりニオイが気になってきそう。

最初は1か月ペースで、砂の全量交換とトイレの洗いを予定していたのですが、もう少し早めでもいいかなと思いました。

今後、様子を見ながら決めていこうと思います。

【トイレを増やした】

以前ネットで見かけたのですが、「トイレをふたつ用意しておいて、全量交換するタイミングをずらしておけば、猫ちゃんがキレイな方のトイレを自分で選択して使用できる」、という工夫に感銘を受け、トイレをふたつ設置することにしました。

以前購入した『リッチェル Richell コロル ネコトイレF60』は、体重5.2kgあるそらでも余裕の広さがあり、ウンチをしたときの旋回も余裕でできます。

さすがにこのサイズをふたつ置くには場所を取るし、砂にかかるコストや手間が増える・・・とは思ったのですが、そらのストレス軽減のためだ、私が頑張ればいいだけのことだと思い、違うカラーの同じサイズのものを購入。

色違いの、可愛いピンク色にしました♪

☝砂の飛び散り防止のために、プラダンで壁を作ってみた

【水飲みボウルを増やした】

猫は積極的に水を飲みたがらない子が多いそうで、我が家のそらもそのタイプ。

でも、ドライフードを食べる割合が多くなった日などは、自ら水を飲む姿が見られることがあります。

本能で、不足している水分を補給しようとするんでしょうね。

以前は、ごはんを食べる場所、洗面台の上に水飲みボウルを置いていたのですが、TV台の下、玄関前の廊下、洗面台へ向かう廊下にも追加しました。

通りがけに、目につく場所に置いておけば、「そういえば、ノド乾いたにゃ」と、思い出したときに飲んでくれるかも、という作戦です。

ストレス軽減というより、下部尿路の病気予防的な目的が大きいですが、病気になればストレスを感じるでしょうから、ストレスの予防ということで。

【TV用に手元スピーカーを使用】

TV横のベッドを気に入って使用してくれていたときに、TVの真横で音量がうるさいだろうと思い、手元スピーカーを購入。

TV本体からは音が出ずに、テーブルについている私の目の前のスピーカーから音が聞こえるというもの。

ON・OFFが少々面倒だけど、そらのためだ、と思い使用していましたが、何日か後から、TV横のベッドを使わなくなりました( ;∀;)

いいんです。猫なんて、そんなもんです。

【室温に気を付ける】

我が家は西日が結構当たるので、午後は尋常でないくらい室温が上がり、ほっといたらたぶん40度超えます。

そこで、暑い日は昼から、居間と仏間(ひとつづきになっている)のエアコンを稼働させるのですが、そらはエアコンの効いている部屋にいることが少ないことに気が付きました。

エアコンをつけていない洋室か寝室で、その部屋は暑い日には39度まで上がることもあるのに。

温度設定は27~28度の自動風量にしているのですが、それでも私自身「寒いなぁ」と感じることがあるので、そらもきっと、寒かったのだろうと思います。

そこで、室温が28度になるよう、ときには居間の方のエアコンを29度設定にするなど、細かく設定を切り替えるようにしました。

これでも寒ければ、洋室などへ行ってもいいのですが、暑い部屋に入り浸っていて熱中症になられても困るので、せめて風だけでもと思い、扇風機を回してあげてます。

【一人遊びができるような工夫】

行動診療科では、私が留守にしているときや、別室でPCをしているときなどに、一人遊びができるようおもちゃを置いてみたらどうかと提案されました。

でもそらは、ヒモやビニル系、ネズミのおもちゃなど、物によっては食べることがあるので、出しっ放しにするのは難しいです。

そこで、食べそうにないものを見つけて、一人遊び用のおもちゃにならないか工夫してみました。

羽子板の羽根のようなものに付いていた球の、羽根の部分を取って球だけにしたものを、収納ケースの中に入れてみたら、これで遊んでくれました。

ポイントは、ケースの中に紙を入れて、球がチラチラ見え隠れするような状態にすること。

気が向いたときに遊んでいるようです。

他にも何か良いものがあれば、一人遊びできるものを増やしてあげたいと思っています。

猫が猫らしく暮らせる空間づくり

今まではなんとなく、猫は高いところが好きだろう、外が見えた方が退屈しのぎにいいだろう、などいったことは、ざっくりとした想像で工夫してきたつもりでした。

でも、トイレ変更の件をきっかけに、「もしかして、我慢してた?」ということが見えてきて、もっと、そらの立場に立って環境づくりをしてあげるべきだったと反省しています。

猫が本来、野生ではどのように暮らしているのか?猫らしさとは・・・?

もっと猫のことを知らなくては。

そらのストレスが少しでも減れば、攻撃行動が減る可能性も考えられるので、快適な環境づくりは、そらのためでもあり、私のためでもある。

お互いが快適に、穏やかに過ごせる日々を目指して、これからも努力していきたいと思います(^^)/

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