猫を飼うときに、なによりもまず用意する必要があるのが、トイレ。
猫のトイレには、おおまかに、「システムトイレ」タイプと、「固まる猫砂」タイプがあり、初めて猫を飼うときには、どちらを選んだらいいのか迷ってしまいます。
そこで今回は、システムトイレと固まる猫砂の、メリット・デメリットを比較してみました。
目次
システムトイレと固まるタイプの砂の比較
固まる砂には、紙製や木製、ベントナイトなど、色んな素材があるのですが、今回は、紙製の固まる砂を対象にしています。
比較するシステムトイレは、ユニ・チャームのデオトイレです。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
システムトイレ | ・シートでおしっこの色が確認しやすい ・日々のお世話はうんちの回収のみ ・おしっこの回収が数日に一度で済む ・砂の粉が少ない ・砂を追加する必要があまりない | ・コストがかかる(砂とシート) ・砂が重たい ・本体の構造が複雑で手入れが面倒 ・おしっこの回数、量が把握しにくい ・可燃ゴミに出せないものが多い ・砂が人間トイレに流せない |
固まる砂(紙製) | ・コストが安い ・本体に代替できるものが多い ・砂が軽い ・おしっこの回数、量が把握しやすい ・トイレ本体の構造がシンプルで洗いやすい ・人間トイレに流せるものがある ・可燃ゴミに出せる | ・ほこりが舞う ・おしっこの色が分かりにくい ・排せつ物の回収頻度が多い ・砂が軽いのでトイレの外に出やすい ・砂の継ぎ足しが必要 ・おしっこの固まりが散らばる |
【コスト】だんぜん「固まる砂」が安い!
《 トイレ本体 》
私が購入したデオトイレの本体は、2~3,000円程度。
固まる砂を使用する場合も、トイレ本体は同じくらいの価格ですが、砂が容器に入っていればよいので、「猫トイレ」として売ってあるものでなくても、箱状のもの、たとえば、衣装ケースなんかでも代替えが効きます。
家にある、使わなくなった衣装ケースなどを利用すれば、お金をかけずに用意できますよね。
《 ランニングコスト 》
システムトイレには、「砂」と「おしっこシート」が必要になります。
デオトイレで必要なトイレの砂は、1月に2袋。
おしっこは砂に染み込まないため、途中で砂を追加することは滅多にありません。
(うんちに多少砂がつくので、少しは減りますが、追加するほどではないかな。ただ、軟便や下痢の場合は汚れやすいので、追加が必要になるかも。)
1袋が約1,000円なので、月に約2,000円。(ちなみに、デオトイレワイドの場合3袋必要なので約3,000円になります)
おしっこシートが、10枚で約700円。月にだいたい6枚使うので、ひと月に約500円とします。
システムトイレの、砂とシートのランニングコストは、約2,500円/月となります。
固まる砂の場合、最初に投入する量は、同じく2袋とします。
固まるタイプの場合、おしっこがしみこんだ部分を捨てなければいけません。そうなると、日々砂は減っていくので、継ぎ足していく必要があります。
追加の砂に1袋必要だとして、ひと月に3袋で、約1,500円/月。
紙製の固まるタイプは、500円を切るものもあるので、安いものを選べばもっとコストを抑えることができます。
【本体の構造】 パーツが少ない方が手入れが簡単
〈左〉デオトイレワイド ・ 〈右〉デオトイレ
システムトイレの本体の構造は、少し複雑です。
おおまかには「トイレ上部」と「トイレ下部」に分かれていて、下部にはさらに、おしっこを受ける「トレイ」と、おしっこをトレイへ落とす「すのこ」部分の、4つのパーツがあります。
対して、固まる砂トイレの場合は、上部パーツと、砂を入れる下部パーツの2つのパーツが主な仕様。
さらに、砂を入れるだけのBOXのようなものであれば、ひとつのパーツで済みます。
トイレ本体を洗うときの手間を考えると、この差は大きいです。
私は月に一度本体を洗うのですが、砂を全部取り出して、本体下部の3パーツを水洗いし、水気を拭き取り、上部パーツを、ウェットティッシュで拭き掃除しています。
慣れれば手際よくできるし、私は結構トイレ洗いが好き(?)なので、あまり苦ではありませんが、パーツが単純であれば、もっと楽なのになぁ~とは思います。
【砂から出るほこり】 トイレ周りや猫の足が汚れる
固まる砂の大きなデメリットが、「ほこり」です。
システムトイレの砂でも、粉(ほこり)が多いタイプのものもありますが、デオトイレの「消臭・抗菌サンド」は、あまり出ません。
紙製の砂の袋をボフッとやると粉が舞い、猫が砂をかくと粉が舞い・・・おそらくトイレ周りは粉だらけになるでしょう。
【砂の重さ】 地味に辛い砂の重さ
システムトイレの最大のデメリットだと思っているのが、ゼオライトやシリカゲルなどからできている、砂の重さです。
私が使用しているデオトイレの砂「消臭・抗菌サンド」は、1袋(4ℓ)で4.3kgあります。成猫1匹くらいの重さ。
私は最初、近所のスーパーで砂を買っていたのですが、あまりの辛さに、通販での購入に変更しました。
購入時は配達してもらうのでまだいいですが、問題は捨てる時。辛い、のひと言です。
対して、紙製の固まる砂の場合、片手で楽に持てる重さで、実際に持ってみると感激します。
いまはまだいいけど、歳をとったときに、システムトイレの重たい砂を扱いきれるのか?という不安があります。
【消臭力】 おしっこの強烈なニオイの消臭
猫のおしっこって、かなり臭いです。うんちは、砂できちんと隠したり、乾いてしまえばほぼ臭わなくなるけど、おしっこはいつまでも臭い。
システムトイレを使い始めた当初ビックリしたのが、おしっこシートの消臭力でした。
おしっこを吸収したシートに、かなり鼻を近づけないと臭わなかったからです。
紙製の固まるタイプの砂も、吸収直後にニオイを嗅いでみましたが、ほぼ閉じ込められていて驚きました。
ただ、優秀な砂やシートを駆使しても、夏場にはどうしても多少臭ってきてしまいます。
そんなときにおススメなのは、脱臭機。
猫トイレのニオイだけでなく、料理集や衣類などの消臭にと、色々使えて便利な脱臭機、ぜひ使ってみてほしいです(^^)/
【排せつ物の回収頻度】 毎日のことだから大変
システムトイレの場合、おしっこは砂に吸収されずおしっこシートに吸収されるため、日々の回収はウンチのみ。
おしっこシートは、だいたい1週間に1度程度の交換になるので、排せつ物の回収はとってもラクチンです。
反対に固まる砂の場合、おしっこもウンチも両方回収しなければなりません。
おしっこが1日に2~3回、ウンチが1回となると、1日に3~4回の回収が必要になります。
すぐに回収してあげないと、前回したおしっこの場所の砂をかいて、足が汚れる可能性もあるし、トイレの中に残っているおしっこやウンチが気になって、用を足すのを我慢してしまう可能性もあります。
【おしっこのチェック】 一長一短
猫ちゃんは、泌尿器系の病気になりやすいので、日々のおしっこチェックはとっても大事です。
《 色 》
システムトイレの場合、白色のおしっこシートであれば、シートに染み込んだおしっこの色で確認できます。
固まる砂の場合も、砂の色が白色であれば、確認できます。
《 回数・量 》
おしっこの回数や量の確認は、固まる砂の方がしやすいかもしれません。
システムトイレのおしっこシートにおしっこが染み込むと、量は分かりにくく、同じ場所におしっこをしたら回数や量が分からなくなります。
対して固まる砂の場合は、1回分のおしっこが固まりになるので、量と回数が把握しやすいです。
ただ、システムトイレでも、1日に何回トイレへ行っているかの観察をしたり、おしっこをするたびにシートを新しいものに替えれば、普段と比べて量が多いか少ないかのチェックはできます。(おしっこ直後にトレイを引き出すと、すのこからおしっこが垂れて、トレイや床が汚れるので注意してください)
でも、さすがに毎日のおしっこチェックは大変。
月に一度でもいいので、デオトイレの「おうちでおしっこチェックキット」を使用してみるのもおススメです。
専用のトレイでおしっこを受け、色見本と比較しておしっこの色の確認ができるので、より色の異変に気が付きやすいです。
比較のまとめ
ということで、システムトイレと、固まるタイプ(紙製)の砂の比較を簡単にまとめると、下表のようになりました。
システムトイレ | 固まる砂(紙製) |
|
---|---|---|
コスト | ✕ | 〇 |
砂の重さ | ✕ | 〇 |
砂から出るほこり | 〇 | ✕ |
日々のお世話 | 〇 | ✕ |
本体手入れのしやすさ | ✕ | 〇 |
おしっこチェック | △ | △ |
消臭力 | 〇 | 〇 |
日中家を留守にしがちなので日々のお世話を簡単に、トイレ本体の掃除は苦にならない、という場合には「システムトイレ」がおススメ。
コストを抑えたい、トイレ本体の掃除は簡単に済ませたい、マメに排せつ物の回収ができる、日々の健康チェックがしたい、という場合には「固まるタイプの砂」がおススメです。
ただ、トイレを使用する猫ちゃんが、使ってほしいトイレを使ってくれるかどうかという問題もあるので、徐々に慣れていってもらえるように工夫しながら、飼い主さんの生活スタイルと猫ちゃんの希望を、すり合わせていきましょう(^_-)-☆